講師:冨井正憲先生(建築家・元漢陽大学建築学部教授)
文明の成熟度を計る物の一つとして建築があります。建築物の高さ大きさ、複雑さや緻密さ、芸術的なセンスを持って人々は、その国の文明が進んでいるかを見極めます。長い歴史を持つ韓国は様々な年代に出来た建築物に満ち溢れています。古代の石塔、中世の寺院、近世の書院や伝統集落と韓屋、日本統治時代に造られた近代建築、そして現在は多種多様な建築物に覆われ、これら韓国の多様な建築はその文明の高さを示しています。講師の冨井正憲先生は長年にわたり韓国の建築を幅広く研究をされてきました。現在もソウルに居住され、韓国の様々な分野で先生自ら設計、研究を行っています。
この講座は朝鮮王朝時代の近世、日本統治時代の近代、そして大韓民国時代の現代と3回のシリーズに分け、それぞれの時代の都市・集落・建築について建築学的な観点から学ぶ講義です。今回は第2回シリーズとして4回にわたり、日本統治時代のソウル、当時の京城(けいじょう)における都市建築について冨井先生に語っていただきます。
★★★冨井正憲先生談★★★
この30年間、私は近代植民地期ソウルの都市建築研究に関わってきた。近年はソウル歴史博物館からの委託研究により韓国の研究者と共に日本に存在する旧京城の生活・風俗・風景等に関する主に紙媒体の「非文字資料(写真・絵葉書・絵画・スケッチ・図面・地図等)」の調査収集に携わってきた。その成果は毎年展示会や講演会、そして図録の発刊によって社会に発信している。本連続講義においてはそうした研究活動の中から4つの興味深いテーマを取り上げて皆さんに紹介してみたい。
【冨井正憲(とみい・まさのり)先生プロフィール】
ソウル在住の建築家。神奈川大学建築学科卒業。博士(工学)「東アジア4ケ国における居住空間の比較文化論的研究」(東京大学)。神奈川大学在職中より東アジアの住居比較研究を行い、2004年から漢陽大学建築学部招聘教授として韓国の学生を指導、また韓国に残る日本統治時代の都市建築や暮らしについての研究を続ける。1930年代の京城の町を再現した展示をソウルの清渓川文化館、東京の韓国文化院などで開催し、話題を集めた。2020年に漢陽大学を退職された後は建築家として、共生の村づくり、梁のない韓屋、古い日本住宅の再生などを手掛ける。「韓国の建築を最もよく理解する日本人」として有名で、月刊『建築士』に隣国からの建築だよりを連載した。近著に『大京城府大観』『今和次郎フィールドノート』『絵画に見る京城と釜山』『京城商店街』『浅川兄弟と京城』(いづれもソウル歴史博物館刊行、共著)など。
冨井正憲先生 シリーズ『建築から見た韓国』 第2部 近代
全4回(60分+質疑応答)
第1回 【映像『京城』と映画館】
清水博監督の映画『京城』(24分:1940年製作)に沿っててモダンコロニアル都市・京城の空間と生活を解説します。併せて当時の映画館(鐘路の優美館と本町の明治座)の関係資料も取り上げ紹介します。
2021年10月27日(水) 20:00開始
講座終了 録画配信にてご視聴可能です。
第2回 【代表的な3つの京城鳥瞰図】
近代に入ると、人間を取り巻く環境のながめ=景観(ランドスケープ)を表現することが大きなテーマとなり、都市を空から眺めた鳥瞰図が盛んに描かれます。ドイツ人建築家デ・ラランデの《京城都市構想図(1912~1913)》、図絵師吉田初三郎の《朝鮮博覧会図絵(1929)》、それに作図師小野三正の《大京城府大観(1936)》の3つを取り上げ、空からの京城の都市景観について論じます。
2021年11月10日(水) 20:00開始
講座終了 録画配信にてご視聴可能です。
第3回 【画家たちが描いた京城】
京城市中では美術教育が開始され、美術館が誕生し、展覧会が開催される等、美術活動が盛んになりました。京城に30年近く居住した加藤松林人、朝鮮美術展審査員として訪れた石井柏亭、景福宮博物館に長期滞在した日下八光、朝鮮博覧会の写真技師として短期滞在した野口三四郎等、画家たちが描いた貴重な絵やスケッチを取り上げ、京城の都市風景について語ります。
2021年11月17日(水) 20:00開始
講座終了 録画配信にてご視聴可能です。
第4回 【民家・民具・民芸/今和次郎のフィールド・ノート】
1920、30年代は民家・民具・民芸といった大衆文化の花開いた時代であり、京城もその影響を受けました。民芸の柳宗悦は浅川教伯、巧兄弟の案内で1916年に初めて朝鮮を訪れ、その後20回以上訪朝します。民具の澁澤敬三も1917年、学生時代に最初の鮮満旅行をしてその後1936年には多島海調査を行っています。民家の今和次郎は1922年より戦前に4回朝鮮半島を訪ねています。その時の踏査記録をもとに、京城の住まいや生活、及び民芸の柳宗悦や浅川兄弟との関係、更には「川辺の風景」の小説家朴泰遠への考現学の影響などを論じます。
2021年12月1日(水) 20:00開始
講座終了 録画配信にてご視聴可能です。
★講座は冨井正憲先生の講義が1時間くらい、その後視聴者様からの質疑応答の時間になります。
冨井正憲先生 シリーズ『建築から見た韓国』
第1部(4回)…近世
伝統的な都市集落、書院、寺院、庭園について
第2部(4回)…近代
日本人が多く暮らした近代都市(租借地・居留地)、韓屋スタイルの教会、日本式の住宅、それに海を渡った建築家たちなど
第3部(4回)…現代
セマウル(新しい村)運動、アパート団地の歴史、現代都市の景観、現代建築家とその作品などの講座
旅行企画・実施 | 株式会社三進トラベルサービス 東京都知事登録旅行業2-6204号 全国旅行業協会(ANTA)正会員 (旅行条件書) |
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オンラインセミナー参加費用
①一回あたり 2,500円(税込)
②4回一括 9,000円(税込)
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※定員数に達した場合は、後日お渡しする録画データをご覧いただきます。生配信の視聴をご希望の方はお早めにお申し込ください。
※先生が使用致します教材を添付ファイルにて送付いたします。(PCからのメールのみ)
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