講師:中村浩先生
(大阪大谷大学名誉教授・和歌山県立風土記の丘館長)
皆様は須恵器(すえき)をご存知でしょうか。須恵器は縄文・弥生時代の土器から発展した焼き物で、古墳時代に多く作られました。保水性に優れていたため、味噌や醬油など発酵食品の製造が出来るようになり、食文化に大きな変化をもたらしました。また、須恵器はその出土した遺跡の年代を特定する指標としても利用され、考古学・古代歴史学では重要な遺物に位置付けられています。この大阪府南部の遺跡から出土した須恵器を長年研究し、「中村編年」と呼ばれる遺跡の年代特定をされたのが、本講座の講師・中村浩先生です。
本講座は中村先生から須恵器の特性や人々に与えた影響、文明発展への寄与、そして考古学・古代歴史学における年代を特定する編年について講義していただきます。
須恵器(すえき)とは?
須恵器とは焼き物の発展過程で登場した一種で、主に古墳時代に作られました。焼き物は縄文時代・弥生時代に作られた土器、古墳時代の陶質土器(須恵器)、その後の陶器、炉器、磁器と発展していきます。須恵器は行基焼と共に陶質土器に分類され、縄文・弥生土器と違って保水性に優れていたため、貯蔵容器として利用されました。特に味噌や醤油などの発酵食品に使用されたため、食文化に大きな変化をもたらす事になりました。この製法・技術は中国・江南地方が発祥と言われ、日本には朝鮮半島南部、特に伽耶地域から伝わりました。このように須恵器は文明の発展に寄与した物・技術と言えます。
また、須恵器には考古学・歴史学にとって大変重要な指標として利用されています。それは出土した須恵器を持って、その遺跡の年代を知る事が出来るのです。具体的には須恵器が出土した地層、須恵器の紋様等からその出土した遺跡の年代を計算しています。日本の多くの古墳はこの須恵器の出土によって年代を特定する事が出来ました。中村浩先生は大阪府南部に分布する古墳時代の須恵器の窯址である陶邑窯跡群の研究を行い、その須恵器は「中村編年」として知られています。
【中村浩(なかむら・ひろし)先生プロフィール】
大阪大谷大学名誉教授、和歌山県立風土記の丘館長。
1947年(昭和22年)生まれ。同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻中途退学。博士(文学)。著書に『和泉陶邑窯の研究』(柏書房 1981年)、『和泉陶邑窯出土須恵器の型式編年』(芙蓉書房出版 2001年)、『須恵器』(ニューサイエンス社 1980年)、『古墳文化の風景』(雄山閣 1988年)などの考古学関係書のほか、2005年から「ぶらりあるき博物館シリーズ」を執筆、刊行中。既刊はパリ、ウィーン、ロンドン、ミュンヘン、オランダヨーロッパ編5冊、マレーシア、バンコク、香港・マカオ、シンガポール、台北、マニラ、ベトナム、インドネシア、カンボジア、ミャンマー・ラオス、チェンマイ・アユタヤ、沖縄・奄美、北海道、釜山・慶州のアジア編14冊。
【三進オンライン講座】
中村浩先生の『須恵器』研究入門
2021年9月30日(木) 19:00開始
(終了時間は20時半前後を予定)
視聴方法 Zoomウェビナー(ご参加様のお顔は画面に出ません)
講座時間:約1時間+質疑応答
録画配信で視聴可能です。
旅行企画・実施 | 株式会社三進トラベルサービス 東京都知事登録旅行業2-6204号 全国旅行業協会(ANTA)正会員 (旅行条件書) |
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オンラインセミナー参加費用
2,750円(税込)
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