【特別企画】『漆山古墳発掘現場見学(高久健二先生臨地解説)と上野三碑をめぐる』
◆ポイント
群馬県(上野国)高崎市内にある、飛鳥時代から奈良時代に建てられ、漢文が刻まれた3基の石碑が上野三碑(こうずけさんぴ)です。山ノ上碑(山上碑)・多胡碑・金井沢碑の総称で日本に18例しか現存しない古代の石碑(金石文)(7世紀 ~ 11世紀)の中でも最古の石碑群です。いずれも国の特別史跡に指定されており、2017年にはユネスコ「世界の記憶」に登録されました。上信電鉄沿線に比較的隣接していますので電車、バス、徒歩で移動して見学します。また上信電鉄佐野の渡し駅の400㍍に漆山古墳が存在します。専修大学では毎夏、学生主流の発掘調査が行われ、大きな成果を上げています。その発掘現場をおとずれ、調査の指導にあたっておられる高久健二先生による臨地解説をしていただき、今年の発掘成果を学びます。発掘の成果の全貌がほぼわかる8月末に設定しました。
<臨地講師 高久健二先生(専修大学教授)>
略歴 1967年生まれ。
九州大学大学院文化科学研究科修士課程修了、韓国・東亜大学校大学院史学科博士課程修了・文学博士取得。
九州大学大学院比較社会文化研究科助手、埼玉大学教養学部准教授、教授を経て、現在、専修大学文学部教授。
専門は韓国・朝鮮考古学、東アジアの古墳文化。
主要著書『楽浪古墳文化研究』(学研文化社)他論文多数
■見どころ
◇山ノ上碑(やまのうえのひ)
高崎市山名町にある古碑です。隣接する山ノ上古墳と合わせて国の特別史跡に指定されています。日本国内で完全な形で残るものとしては最古の石碑とされています。輝石安山岩に縦4行53文字が刻まれています。書体は古い隷書体の特徴が見られます。
碑文に「辛己(巳)歳集月三日記」とあり、「辛巳年」にあたる天武天皇10年(681年)の建碑とされます。放光寺の僧侶・長利(ちょうり)が母の黒売刀自(くろめのとじ)のために墳墓の山ノ上古墳(下記参照)の近傍に建てたものとみられます。碑文はすべて漢字ですが、日本語の語順で読むことができ、日本独自の漢字の使用法を知る手掛かりとしても貴重です。
◇多胡碑(たごひ)
高崎市吉井町池字御門にある古碑です。多胡郡の建郡を記念して和銅4年(711年)頃に建碑されました。書道史の上からは日本三古碑の一つとされています。身、笠石、台石からなり、碑文は上野国の片岡郡、緑野郡、甘良郡の三郡から300戸を分けて多胡郡を新設した内容で、『続日本紀』和銅4年(711年)3月辛亥(6日)条と一致しており、同書から711年頃の建立とされます。
◇金井沢碑
高崎市山名町にある古碑であり、国の特別史跡に指定されている。神亀3年(726年)2月29日建碑。台石にはめこまれ、文はその表面に陰刻されています。書体は古い隷書体の特徴が見られます。江戸時代の中ごろに出土し、かつては小川のほとりで付近の農家の洗濯板として使用されていたといいます。その内容は、上野国群馬郡下賛(下佐野)郷高田里の三家(ミヤケ、屯倉)の子孫が、七世父母、現在の父母等のために天地に誓願して作る旨が記され、祖先の菩提と父母の安穏を仏に祈願している内容です。
◇漆山古墳(うるしやまこふん)
高崎市下佐野町、烏川東岸の河岸段丘上に築造された古墳です。烏川東岸一帯では帯状に古墳80基が分布して佐野古墳群が形成されましたが、現在では古墳群中最大の本古墳のほかにわずかしか残っていません。これまでに前方部の半分の墳丘が失われていましたが、2018年度(平成30年度)以降に専修大学により毎年夏期に発掘調査が実施されてきました。佐野古墳群では最終段階の築造と位置づけられ、築造当時としては古墳群を代表する盟主的古墳でした。当地域では6世紀後半頃にヤマト王権の直轄地として佐野屯倉が設置されたとされ、本古墳の被葬者はその管理者と推測する説があり、佐野屯倉の管理者の子孫が建碑したと見られる山上碑・金井沢碑の碑文との関連性が注目されています。
時間帯 | スケジュール | 食事 |
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所要6~7時間 11:00~17:30等 | 2024年8月28日(水)=日帰り |
昼:昼食 1回付 |
【旅行代金に含まれるもの】 日程表記載の移動車両の運賃・料金、日程表に記載されている宿泊料金および諸税・サービス料、日程表に記載されている観光の料金、日程表に記載されている食事代および諸税・サービス料、日程表記載の観光の料金及び伴う場合のガイド料金、団体行動中のチップ 【旅行代金に含まれないもの】 ツアー出発地までの、および終了地からの往復交通費、前後泊時の宿泊費・移動交通費、任意の国内旅行傷害保険、日程表記載の内容以外に行動される場合の諸経費、個人的性質の費用、傷害・疾病に関する治療費
<2024年7月1日現在>
現地旅程管理会社 | 株式会社三進トラベルサービス 東京都知事登録旅行業2-6204号 全国旅行業協会(ANTA)正会員(旅行条件書) |
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